【6月12日 AFP】英ロンドン(London)のロンドン橋(London Bridge)周辺で今月3日夜に起きた襲撃事件で、実行犯らが身に着けていた偽物の自爆ベストは、革のベルトに使い捨てのウオーターボトルを取り付けて作ったものだったことが分かった。警察が11日、明らかにした。

 事件の捜査を率いる警察のディーン・ヘイドン(Dean Haydon)氏は声明で「テロリストが偽の爆発物を自分に縛り付けて恐怖心を最大限にあおるというこの戦術は、英国ではこれまで聞いたことがない」と述べている。

 警察が公開した写真では、血に染まった複数のウオーターボトルがシルバーと黒のテープで巻かれ、茶色のベルトにくくり付けられている。

 ヘイドン氏は「当日夜、それを見た人は誰もが本物と思っただろう」と指摘。実行犯らがベルトを着用した動機を推測するのは困難としながらも「襲撃後に立てこもりに移る算段だったとも考えられる。あるいは自らが撃たれないようにする防護物とするつもりだったのかもしれない」と言及している。

 事件ではクラム・バット(Khuram Butt)、ラシド・レドゥアン(Rachid Redouane)、ユセフ・ザグバ(Youssef Zaghba)各容疑者が車を歩道に突っ込ませて歩行者をはねた後、人気歓楽街の客を刃物で襲い、8人を殺害した。3人は警察によって射殺された。

 過去数か月に国内で起きた3度目の攻撃で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行声明を出している。(c)AFP