■部族間紛争の可能性?

 バランシュ氏によれば、クルド人部隊はシリア北部マンビジ(Manbij)で起きたことの再現を期待しているという。

 アラブ人が多数を占めるマンビジはかつてISの主要拠点だったが、昨年8月にシリア民主軍が制圧し、市民評議会に引き継がれた。評議会はシリア民主軍による支配の隠れみのだと対抗勢力は批判しているが、マンビジの少数派クルド人は評議会への支持を続けている。

 しかし「これはラッカには当てはまらない。ラッカの部族はクルド人による支配を容認できない」とバランシュ氏は言う。

■アサド政権は?

 シリア政府はラッカ奪還の戦いは政府軍が主導すると長らく主張してきた。だが戦場では「シリア民主軍がやってくれるのならば、自分たちの兵士は一人も失いたくないというのがシリア軍の立ち位置」だとバランシュ氏は言う。同氏によれば、政府は武力行使よりも「交渉を経て市内に入る」ことを望んでいるという。

 しかし、シリア民主軍のタラル・セロ(Talal Sello)報道官は、シリア軍自らがラッカ攻勢に加わる可能性を除外していない。「シリア軍の参加は(米主導の)有志連合軍とロシアとの合意内容に左右される」と同報道官はAFPに語った。(c)AFP/Rana Moussaoui with Ayhem Al-Mohammad in Hasakeh