【6月9日 AFP】サウジアラビアサッカー連盟(SAFF)は9日、同国代表選手たちが2018年サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)アジア最終予選のオーストラリア戦を前に、英ロンドン(London)襲撃事件の被害者に向けた1分間の黙とうを行わず批判されたことについて謝罪した。

 8日に豪アデレード(Adelaide)で行われた試合を前に、サッカルーズ(Socceroos、オーストラリア代表の愛称)の選手はアナウンサーの呼びかけに応じてセンターサークル上で肩を組み合うなどして黙とうしたが、サウジアラビアの選手はそれぞれピッチに散らばっていた。

 SAFFの役員は、「サウジの文化に合わない」として、死者に対し敬意を払う慣習をやめるよう求めていた。

 これに対してオーストラリアのファンや政治家は怒りの声を挙げた。ロンドン橋(London Bridge)で3日夜に起きた事件では、オーストラリア人2人を含む8人が死亡した。

 SAFFのアディル・エザット(Adil Ezzat)会長は、「礼儀正しく1分間の黙とうを行わず、みなさんの気分を害したことを連盟は深く反省し、謝罪いたします」と声明で述べた。

「選手たちは被害に遭われた方々の思い出に対する無礼を意図したわけではなく、ご家族やご友人、残虐行為に影響を受けた方々を苦しめようとしたわけではありません」

 オーストラリア・サッカー連盟(FFA)の広報担当者はAFPに対し、「アジア・サッカー連盟(AFC)とサウジアラビア代表は、黙とうを行うことで合意していた」とし、その上でサウジ側から「サウジの文化に合わないため、自分たちの習慣にのっとって選手たちはピッチに広がり、それぞれのポジションにつく」との通知を受けていたという。(c)AFP