【6月6日 AFP】(更新)米ホワイトハウス(White House)は5日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領には連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)前長官による議会証言を大統領特権を行使して阻止する意向はないと発表した。

 ホワイトハウスは声明で「大統領が行政特権を行使する権限は十分に確立されているものの、上院情報特別委員会が目指す事実関係の解明を迅速かつ徹底的に進めるため、トランプ大統領は予定されているコミー氏の証言に関して大統領行政特権を行使しない意向だ」としている。

 トランプ大統領は先月、コミー氏を解任。FBIは当時、昨年の大統領選でトランプ氏の陣営とロシアが共謀した可能性について捜査していた。

 8日に予定されている議会証言でコミー氏は、自身が解任された時の状況や、大統領がFBIによるロシア疑惑捜査を妨害したり、政権に打撃を与えている情報漏えい問題への注目をそらそうとしたりした疑いに関して、質問を受ける見通し。

 先にホワイトハウスは、大統領の協議内容の機密性保護を理由に、トランプ氏が大統領特権を行使してコミー氏による議会証言を阻止する可能性を示唆していた。ただこれについては側近の一部から、ホワイトハウスによる隠蔽(いんぺい)工作と受け止められかねないとして、懸念の声も上がっていた。(c)AFP