【6月4日 AFP】中東バーレーンで3日、ハリド・ビン・アハメド・ビン・モハメド・ハリファ(Khalid bin Ahmed bin Mohammed al-Khalifa)外相のツイッター(Twitter)アカウントが一時的にハッカーに乗っ取られた。10日前には隣国カタールの国営通信社がサイバー攻撃を受けたばかり。

 バーレーンでは、イスラム教スンニ派(Sunni)のハリファ王家による支配打倒を公言しているイスラム教シーア派(Shiite)組織「サラヤ・ムフタル(Saraya al-Mukhtar)」を名乗るグループによるハリド外相へのツイッター攻撃に先立ち、大規模な反体制運動を政府が解散させ、抗議の座り込みを制圧した警官隊の発砲で5人が死亡している。

 王家の一員でもあるハリド外相がツイッターで明らかにしたところによると、自身の公式ツイッターアカウントに、血まみれの遺体や破壊されたモスク(イスラム礼拝所)の写真、子どもが描いたとみられる戦争の絵などが4時間にわたって表示された。これらの写真や絵には「オイルマネーにまみれたメディアが見せないもの」とのメッセージが添えられていた。

 バーレーン外務省は同外相のツイッターアカウントは3日には回復したことを認め、ハッカー攻撃は「テロリストグループ」によるものだと非難し、「この卑劣な行為の背後にいる者たちに責任を取らせる」と明言した。

 隣国のカタールでは先月24日、国営カタール通信(QNA)のウェブサイトとツイッターアカウントがハッキングされ、中東の慎重を要する問題についてカタール首長らがコメントしたとする偽の情報が掲載される事件があり、現在も捜査中だ。

 カタールの事件では、同国が複数の隣国と断交したなどという偽の情報も投稿されており、捜査関係者は2日、米連邦捜査局(FBI)の専門家らが捜査に協力しているとAFPに語った。(c)AFP