【6月3日 AFP】地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」離脱を表明したドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の決断に反発する民主党所属の州知事や市長、有力企業が2日、団結して温室効果ガス排出量の削減目標を達成するための計画を打ち出した。

 米エール大学(Yale University)が最近行った調査によると、米国でパリ協定に参加するべきだと考える人の割合は、全ての州で半数を上回り、国民全体では69%に上っている。

 トランプ氏がパリ協定からの離脱を表明した後、すぐに学界や経済界首脳、野党・民主党、さらに与党・共和党の一部からも同氏の決定を非難する声が殺到。ニューヨーク(New York)や首都ワシントン(Washington D.C.)では小規模な抗議デモが行われた。

 国連(UN)で気候変動特使を務める富豪のマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)前ニューヨーク市長は、パリ協定の調整機関に対し、米国がパリ協定の負担費用支払いを拒否した場合に国連が失う分の埋め合わせとして、必要であれば1500万ドル(約16億6000万円)を拠出すると約束した。

 ブルームバーグ氏は所有する慈善財団を通じた声明で「(民主・共和)両党に属する市長や州知事、ビジネスリーダーたちが、国連に提出する予定の支援声明に署名している。私たちは共に、2015年に米国がパリで約束した排出量削減目標を達成する」と表明。

「米国はボトムアップ(下層から上への)形式でパリ協定を順守し、施行していく。米政府は私たちを止めることはできない」と付け加えた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は、ブルームバーグ氏主宰の団体(名称未定)に、これまで全米30自治体の首長と3州の知事、大学学長80人、企業100社が賛同したと報じている。

 民主党知事が率いるカリフォルニア(California)、ニューヨーク、ワシントン(Washington)の3州は1日のトランプ氏の発表直後、パリ協定の温室効果ガス削減目標を順守していくことを表明していた。

 また約4000万人の米国民を代表するとされる全米83自治体の首長らもパリ協定順守を約束し、目標達成に向け再生可能エネルギーとエネルギー効率化への投資拡大を表明している。(c)AFP/Jennie MATTHEW