【5月31日 AFP】(更新)北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐって緊張が高まる中、米軍は30日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を想定した初の迎撃実験を実施し、成功したと発表した。

 米軍の声明によると、太平洋(Pacific Ocean)のマーシャル諸島(Marshall Islands)にあるレーガン実験場(Reagan Test Site)から発射したICBMの模擬弾を、カリフォルニア(California)州にあるバンデンバーグ空軍基地(Vandenberg Air Force Base)の地上配備型中間段階防衛(GMD)システムから発射したミサイルが撃ち落とした。

 米国防総省ミサイル防衛局(MDA)のジェームズ・シリング(James Syring)局長(海軍中将)は「このシステムは国土の防衛にとって極めて重要であり、今回の実験によって非常に現実的な脅威に対してわれわれが有用かつ信頼できる抑止力を持っていることが証明された」と述べている。

 GMDシステムは2014年の実験では成功したものの、それ以前に実施したICBM以外の速度の遅いミサイルを標的とした3回の迎撃実験では失敗していた。シリング局長は今回の迎撃成功について「素晴らしい成果であり、重要な節目となる」とたたえた。

 北朝鮮は前日にも再び弾道ミサイルの発射実験を実施していた。北朝鮮は米本土を射程に収めるミサイル開発を目指して試射を繰り返しており、緊張を高めている。

 米国防総省のジェフ・デービス(Jeff Davis)報道官(海軍大佐)は、今回の実験は北朝鮮をめぐる緊張に合わせて行ったものではないとしながらも「広い意味で、われわれが迎撃能力を持っている理由の一つには北朝鮮の存在がある」と指摘した。(c)AFP