【5月30日 MODE PRESS WATCH】第70回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)でコンペティション部門に出品された、ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)監督による実に11年ぶりの最新作「The Beguiled(原題)」。18人の監督の作品が出品される中、監督賞を受賞したほか、本作に出演した女優ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)が第70回記念名誉賞を受賞した。

 1966年にトーマス・P・カリナンが(Thomas P. Cullinan)発表した同名小説「The Beguiled」を基にした本作は、過去にドン・シーゲル(Don Siegel)監督、クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)主演で「白い肌の異常な夜(The Beguiled)」として1971年に映画化された。過去の作品をベースに、女性の登場人物の視点から新たな解釈で描いたサスペンスドラマになる。これまでコッポラ監督は映画「マリー・アントワネット」などに見られる“女性の可愛さ”を象徴的に描いてきたが、本作では一転して“女性のダークさ”を垣間見ることができる。

 キャストは兵士役にコリン・ファレル(Colin Farrell)、そして女性陣はニコール・キッドマンが女学園の校長を演じ、キルスティン・ダンスト(Kirsten Dunst)、エル・ファニング(Elle Fanning)と豪華なメンバーが集結。カンヌ映画祭会期中のインタビューでソフィアは、「本作はシーゲル監督の作品と同じ物語を下敷きにしているけど、新たな解釈であって、リメイクではない。女性の登場人物の視点から描いた作品」と、本作のオリジナリティを説いていた。

 ストーリーは、南北戦争時代のアメリカが舞台となる。ヴァージニアの男子禁制の女学園に、負傷した北軍兵士が寄宿舎に運び込まれて来たことをきっかけに女たちは性に過敏になり、そこで暮らす女性たちの愛憎劇が繰り広げられる――。「The Beguiled」は今夏に全米で公開、日本公開は今冬を予定している。「マリー・アントワネット」でコンペに出品し無冠で敗れて以来、11年の歳月が流れ、今回屈辱を晴らした形となった作品でもある。過去に同監督作品に出演した面々も揃い、自身の集大成とも見られる本作。今冬の公開が待ち遠しい!

■作品概要
・「The Beguiled」(原題)
監督:ソフィア・コッポラ
キャスト:コリン・ファレル、ニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニング
提供:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
公開:今冬公開予定

■関連情報
・「The Beguiled」 オフィシャルトレーラー(英語):https://youtu.be/GRKXyeoWfco
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