■出生率は世界最低

 英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)の研究によると、韓国人は女性だけでなく男性も世界で最も長寿になると予想されている。高齢者人口の増加に対応して、韓国政府もコミュニティーセンターの増設や高齢者向けレジャー活動の推進など、さまざまな福祉プログラムを打ち出している。

 とはいえ、こうした高齢者対策をめぐっては、コストが国に重くのしかかってくるとの見方もある。背景には、出生率が世界最低の水準にある韓国に迫っている人口動態上の危機がある。

 韓国統計庁(Statistics Korea)が昨年12月に公表した報告書によると、総人口5000万人の韓国で65歳以上の高齢者は2015年時点でおよそ650万人。さらに向こう10年で、5人に1人が高齢者になると予想されている。

■あきらめない心

 チアマミーも、もともとは地元当局のレジャープログラムの一環で結成された。しかし今では国内各地を転戦し、全国大会で数十歳年下のライバルと競い合うまでになった。

 最も若いメンバーが63歳のチアマミーの振り付けには、前方宙返りや後方宙返りといったダイナミックな技は取り入られておらず、メンバーが振り付けを覚えるには一般的な場合の2倍の時間がかかる。それでも講師のユン・ポクジャ(Yoon Bok-Ja)さんは「彼女たちは亀のようにのろいけれど、完璧にできるようになるまであきらめない」と舌を巻く。

 元気いっぱいのチアマミーのメンバーたちは急いで次のユニホームに着替える。今度はグラフィティー柄のジャージーに白のトレパン、黒の野球帽といういでたちだ。曲は「江南スタイル(Gangnam Style)」が大ヒットとなったPsy(サイ)の最新曲「Daddy」。おばあちゃんたちは声を張り上げる──。「ヒップホップ! ユース! 100歳まで!」(c)AFP/Hwang Sunghee