【5月29日 AFP】ジロ・デ・イタリア(Giro d'Italia 2017)は28日、最終第21ステージ(モンツァからミラノまで、29.3キロメートル)の個人タイムトライアルが行われ、チームサンウェブ(Team Sunweb)のトム・デュムラン(Tom Dumoulin)が逆転で総合優勝を果たし、オランダ勢として初の快挙を成し遂げた。

 100回記念となった今大会の総合争いで、26歳のデュムランは前日までモビスター・チーム(Movistar Team)のナイロ・キンタナ(Nairo Quintana、コロンビア)を53秒差で追い掛けていた。

 しかし、第10ステージで手にしたピンクジャージ―(マリア・ローザ)を第19ステージでキンタナに奪われていたデュムランは、同胞で親しい友人でもあるチーム・ロットNL・ユンボ(Team LottoNL-Jumbo)のヨス・ファン・エムデン(Jos van Emden)がステージ優勝を果たしたのに続く2位タイムを記録し、三大ツール(グランツール)初制覇を果たした。

 2014年大会覇者のキンタナが31秒差で総合2位に続き、ジロで総合優勝2回を誇るバーレーン・メリダ(Bahrain-Merida)のヴィンセンツォ・ニバリ(Vincenzo Nibali、イタリア)が40秒差で同3位に入った。

 今大会の開幕を控えた伊サルデーニャ(Sardinia)島のリゾート地アルゲーロ(Alghero)において、キンタナは今年のジロとツール・ド・フランス(2017 Tour de France)で二冠を達成する目標を掲げていたものの、その望みは絶たれてしまった。同選手は、これまでツールでは2度の総合2位に終わっている。

 前日の第20ステージで果敢な走りを見せ、総合争いに生き残っていたFDJのティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)は、この日はタイムが伸びず、1分17秒差の総合4位に終わった。

 デュムランは最終ステージでファン・エムデンに15秒遅れてフィニッシュすると、最終走者のキンタナがピンクジャージ―を身に着けながらミラノ(Milan)まで走行する姿を心配そうに見守っていたが、計測でキンタナのタイムがわずかに遅れることが判明すると喜びを爆発させていた。

 昨年のジロでは、タイムトライアルが行われた開幕ステージを制し、初めてピンクジャージ―を着る喜びを味わったデュムランは、「うそみたいだ、何も言えないよ」と歓喜した。

「夢のようだ! フィニッシュラインを通過したとき、みんな僕が勝ったと叫んでくれていたのに、自分はここに座って震えていたよ。信じられない。これまで、こんなこと想像もできなかった。強さを示せたし、今回のジロでは運も味方して、すべてがうまくはまった」

 一方、モビスター・チームはツイッター(Twitter)で、「コース上で最強の男が勝った。次の冒険へ。#VamosNairo(行けナイロ)」とつづった。

 ファン・エムデンは、ロンバルディア(Lombardy)の州都ミラノで素晴らしい走りを見せて自身初のステージ優勝を成し遂げ、オランダ勢としてワンツーフィニッシュを飾って母国に二重の喜びを与えた。

 デュムランについて「親しい友人」と称しているファン・エムデンは、「すごくうれしいし、とても感動的だ。いつも2位ばかりだったから、オランダの自転車界にとって最高の日だ。トムが勝って、ついに自分も勝てた。テントの中で2人で大喜びしている」とコメントした。(c)AFP/Justin DAVIS