【5月28日 AFP】五輪の陸上長距離男子2種目で連覇を達成している英国のモハメド・ファラー(Mohammed Farah)は27日、輝かしいキャリアを終える準備を整えているとし、2020年の東京五輪に出場する可能性は低いと語った。

 五輪で通算4個の金メダルを手にしているファラーは、今夏行われる第16回世界陸上ロンドン大会(16th IAAF World Championships in Athletics London)を最後にトラック種目から離れ、マラソンに転向することになっている。

 この日、米オレゴン(Oregon)州ユージーン(Eugene)で行われたダイヤモンドリーグ(IAAF Diamond League 2017)第3戦プレフォンテーン・クラシック(Prefontaine Classic 2017)の5000メートルで優勝を飾ったファラーは、東京五輪のマラソンに出ることはないだろうとコメントした。

 東京で走ることを楽しみにしているかと問われたファラーはAFPに対し、「走らないと思う」と応じた。

「先のこと過ぎる。家族が恋しいんだ。子どもたちはあっという間に大きくなっている。1年の半分はトレーニングに費やしているから、彼らの成長を見守れなくて寂しいんだ」

 しかしながらファラーは世界陸上の後、マラソン界に本気で挑戦する決意を固めている。

「ロードレースで自分に達成できそうなことを、まだ成し遂げていないように感じている。だから続けてはいきたい。トラックレースでも、一晩で今の自分になれたわけではない。6位や7位に終わって、世界王者になって、でも五輪で決勝を逃したこともある。ロードでも同じことだと思う。骨が折れるだろう」

 短期的には、ファラーは自身が専門とする5000メートルと1万メートルに重きを置いている。世界陸上では両種目にエントリーするかどうかを決断していないファラーだが、この日のレースで今季世界最高タイムとなる13分00秒70で勝利したことは、2冠の可能性を高めたと語った。

「良い感じだ。きょう、もし6位や7位で終わっていたら、疑問が残ると言っていただろう。でも今の気分には満足しているし、楽しんでいる」 (c)AFP