【5月26日 AFP】陸上競技指導者のアルベルト・サラザール(Alberto Salazar)氏が、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の記事で一部内容が報じられた2016年に米国反ドーピング機関(USADA)がまとめた報告書の疑惑について否定した。

 米スポーツ用品大手のナイキ(Nike)が出資する世界のトップランナーが集うナイキ・オレゴン・プロジェクト(Nike Oregon Project)で、陸上選手を指導しているサラザール氏は、テキサス(Texas)州医療当局からの召喚に応じて用意されたUSADAの報告書について、24日夜に米紙オレゴニアン(The Oregonian)へ電子メールを送って回答し、薬物を不正使用したり、ある種の薬剤がアスリートに与える効果について隠したりしたことはないと主張している。

 サラザール氏は「オレゴン・プロジェクトと参加アスリートは、何も隠し事はないし、隠すようなことは何もしていない」とコメント。

「これまでも繰り返している通り、私のアスリートが成功しているのは、厳しい練習と献身のたまものだ。これがクリーンなスポーツであり、組織的に懸命に練習に取り組んでいることを確信している。オレゴン・プロジェクトはこれからも決してドーピングを許さず、同プロジェクトのアスリート全員が、世界ドーピング防止規程(WADA Code)と国際陸上競技連盟(IAAF)の規則を順守するように求められている」

 オレゴン・プロジェクトで仕事をしているテキサス州の内分泌学者ジェフリー・ブラウン(Jeffrey Brown)氏とともに、現在USADAの調査対象となっているサラザール氏はまた、調査官に協力して宣誓の下で聴取に答えているという。

「私はどのコーチよりも、疑惑が誤りであると証明するための努力を続けており、これまで規則違反など一切起きていない。私は全面的に協力し、USADAの質問にも宣誓の下で自発的に答えており、数千枚の書類も提出している」

 USADAの報告書によると、サラザール氏とブラウン氏は、意図せずに薬物を使用する手口で反ドーピング規則を破ったり、すり抜けたりしている疑いがある。サラザール氏は別々の医師から同時に2つのテストステロン(testosterone)の処方を受けていたとされている。(c)AFP