【5月25日 AFP】(更新)子どもや若者らを含む22人が犠牲となった英中部マンチェスター(Manchester)のコンサート会場で起きた22日夜の爆発事件──10代の若者であふれるポップ歌手のコンサートを狙った自爆攻撃は、2005年の同時爆破事件以降に同国で起きた事件としては最悪の規模となった。

 以下にこれまでに分かったことをまとめた。

■何が起きたのか

 22日午後10時33分(日本時間23日午前6時33分)、マンチェスター・アリーナ(Manchester Arena)で行われていた、10代前後の若者に人気の米歌手アリアナ・グランデ(Ariana Grande)さんのコンサートの最中に爆発があったとの通報が警察当局にあった。

 目撃者らは当時の様子について「爆弾のような大きな音」がして、パニックになった若者や子どもらが一斉に施設外に逃げ出したと説明。また、外で待機していた親たちが必死に自分の子どもを捜していたことも明らかにしている。

 爆発が起きたのは、収容人数2万1000人の施設と市電のビクトリア(Victoria)駅とを結ぶエリア。警察は「スタジアムの出入り口付近」と説明したが、スタジアム側は施設外の公共区域だったとしている。テリーザ・メイ(Theresa May)首相は、複数あるアリーナの出入口近くで爆発が起きたとした。駅は市内中心部北端にある交通の要所。23日も閉鎖されたままだった。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は24日、事件で使用された爆発物の残骸の写真を公開した。この写真から、最大限の被害を与えることを目的に、ねじやくぎなどの金属片が同梱されていたことが明らかになった。

 写真に捉えられていた爆発物の残骸はまた、遠隔起爆装置の存在も示唆していた。容疑者、あるいは犯行グループが、手動の起爆装置が計画通りに作動しないことを想定し、緊急時に使用するバックアップ装置を用意していたものと考えられる。