【5月23日 東方新報】「888」、「666」、「23456」……ただの数字の羅列が、携帯電話の番号の末尾になると、その電話番号の「身分」を大きく引き上げることになる。

 中国の「縁起の良い番号」の価値は一体どの程度なのだろうか。最近報道されたのが、「19999999999(中国語の語呂合わせで1は『要(yao)』、9は『久(jiu)』で「長く続きたい」という意味を含む)」という番号で、なんと558万元(約9000万円)。さらに「18888888888(8は『発(fa)』で「たくさん稼ぎたい」という意味)」は1億2000万元(約19億円)という高値がついたという。

 電話番号は、90年代の頃からすでに高値で取り引きされていた。縁起の良い番号は稀少であるため、虚栄心を満たしたい人や、験担ぎの意味で、大枚をはたいてでも手に入れたい人がいたためだ。

 2003年からは高値の取引を取り締まる動きもあったが、ここ最近では番号を取引するダフ屋がまた増えてきており、その価格は10数年前の5~6倍もするという。

「好号網(Haohaowang)」というインターネットサイトでは3大電話会社の番号を取り扱っており、19の省、直轄市を網羅している。番号の特徴、縁起の良い並び、誕生日などの条件から番号を検索できる。その中で、上海(Shanghai)地区で一番高価な値が付けられていたのが、上海移動(China Mobile Group Shanghai) の「13918111111」で、こちらは86万元(約1300万円)。その他の番号も10万~50万元(約160~800万円)という価格だ。

 ある弁護士は、消費者権益保護法の規定により、消費者は商品やサービスを自由に選択する権利、強引な取引を拒絶する権利があり、通信会社がこういった特定の番号に線を引き消費者に自由な選択をさせないことは「不当な契約」にあたり、消費者の合法権益を侵害するものであるとの見解を示した。

 また、ある通信専門家は「番号を高値で取引するグレーのつながりを完全に絶つことは難しい。関連部門は思考を転換し、逆に縁起の良い番号を商品として公開することを許可すればどうか?いくら規制をかけても需要がある限り、表面下での取引はなくならない」と述べた。

 業界関係者は、こういった取引を一掃するには単純に番号を金で取引することを禁止しても意味がないと指摘する。関連部門が表に立って公開オークションを開催し、その所得を公益事業に充てる、もしくは番号に対して高額納税を課すなどしないことには、グレーの鎖の呪縛から解き放たれることはないと述べた。(c)東方新報/AFPBB News