【5月20日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)でプレーするQBトム・ブレイディ(Tom Brady)が、昨シーズン中に公になっていない脳振とうに襲われていたと妻ジゼル・ブンチェン(Gisele Bundchen)が明かしたことを受け、同選手の代理人が19日、その内容を否定した。

 ブレイディの代理人を務めるドン・イー(Don Yee)氏は、米メディアに対し声明を発表し、「トムは昨年、脳振とうと診断されたことはありません。プロトコルや予防策の多くは進化しています。球団や近しい人たちが気を配り、常に彼の健康に留意しているおかげであることは明らかです」と述べた。

 一方、ブラジル出身のスーパーモデルとして知られるブンチェンは17日、同選手がキャリアで複数回にわたり脳振とうに襲われていたにもかかわらず、頭部外傷を負った選手のリストに正式登録されたことはないと話した。

 ブンチェンは米CBSテレビの朝のニュース番組「ディス・モーニング(This Morning)」に出演した際、ブレイディが昨年脳振とうと頭部外傷に襲われながらも、そのことを明かさなかったと告白し、「妻として言えることは、(NFLが)いわゆる非攻撃的なスポーツではないということ。彼は昨年、脳振とうに襲われました」と語った。

「彼の脳振とうはかなりの頻度で…、詳しくは話せません。ですが、彼は脳振とうに襲われたことがあり、続けることが健康に良いとは思えません。常にあれほどの攻撃を受けていれば、体に良いはずがありません。私としては、彼が健康でいられるように努力していくつもりですし、100パーセントの状態でたくさんのことを楽しめるよう望んでいます」

 同日にはNFLが声明を出し、リーグとしてブレイディのファイルを見直した結果、「ブレイディ氏が頭部外傷や脳振とうに襲われたり、脳振とうの症状を訴えたりしたことを示す記録はなかった」としていた。

 同リーグはまた、NFL選手会(NFLPA)と連絡を取り、ペイトリオッツの医療スタッフやブレイディから詳しい情報を集めているとして、「選手の健康と安全が、われわれの最優先事項であり、選手全員がこれからも最大限のケアを受けられるようにしていきたい」と述べた。(c)AFP