歯のかみ合わせ悪いT・レックス、なぜ骨を粉々にできた? 研究
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■歯が折れないよう考慮しながらかんでいた?
しかし、これだけでは骨を粉々にかみ砕くことができる理由の説明としては不十分かもしれないと論文は指摘している。
現在生息する世界最大の爬虫(はちゅう)類であるイリエワニは、T・レックスよりもはるかに小さいにもかかわらず、その圧力は同程度に及ぶ。相違点は、歯のかみ合わせが悪かったとしても、T・レックスには骨を粉砕するのに必要な能力が備わっていたことだ。
ギグナック氏は、「円すい形で並外れて大きく、歯根が頑丈なT・レックスの歯は、すり減ると数年ごとに生え変わっていた」と説明。
同氏はさらに、今回の研究により「現代の哺乳類にも一般的にみられる高度な摂食機能が恐竜時代にも現れていた」ことが明らかになったと続けた。
興味深いのは、T・レックスの咬合力の限界をつくっているのは筋力ではなく、強い圧力に耐え得る歯自体の強度だった可能性があることだ。ギグナック氏によれば、ワニやT・レックスはものをかみ砕く際、爬虫(はちゅう)類の歯のエナメル質が構造的に持ちこたえられるぎりぎりまで思い切り圧力を使っている可能性があるという。
つまりT・レックスは、骨をかみ砕くのに必要な分だけぎゅっとかみしめ、真珠のように白い歯に致命的な損傷を与えないようにしていたと考えられる。(c)AFP/Marlowe HOOD