【5月17日 AFP】フランステニス連盟(FFT)のベルナール・ジウディセリ(Bernard Giudicelli)会長は16日、今月28日に開幕する全仏オープンテニス(French Open 2017)では、女子テニスのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)にワイルドカード(主催者推薦)を与えないことを発表した。

 先月にドーピング違反から15か月ぶりの復帰を果たしたシャラポワは、2012年と2014年の2度にわたって同大会を制しているが、2年連続で大会を欠場する結果となった。

 ジウディセリ会長は同日、フェイスブック(Facebook)のライブ動画配信「フェイスブックライブ(Facebook Live)」で、「誰も彼女が持つ二つのローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)のタイトルを奪うことはできないが、きょうはワイルドカードの申請を認められない」と語った。

「ワイルドカードは故障から復帰した選手たちのためにある。ドーピング違反からの復帰のためではない」

 四大大会(グランドスラム)通算5勝を誇るシャラポワは当初、禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)を使用したとして2年間の出場停止処分が科されていたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)はその後、故意による薬物違反ではなかったとして減刑していた。

 処分が解けた先月26日、元世界1位のシャラポワはポルシェ・テニス・グランプリ(Porsche Tennis Grand Prix 2017)でツアー復帰。同大会で準決勝に進出すると、直後のマドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2017)でも2回戦まで進んだが、全仏の予選出場権を獲得するには遅かった。

 ジウディセリ会長は「マリアと彼女のファンには非常に申し訳なく思う。彼らはとても残念がっているかもしれないし、彼女自身もがっかりしているかもしれない。しかしながら、ドーピングなしで競技が実施されるという高い基準を尊重するのが私の責任であり使命だ」と付け加えている。(c)AFP