【5月10日 AFP】自転車ロードレース、ツール・ド・フランス(2016 Tour de France)王者のクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が9日、フランス南部での練習中に当て逃げ被害に遭っていたことがわかった。本人にけがはないという。

 モナコにある自宅付近で事故に遭ったフルームは、ツイッター(Twitter)でひどい損傷を負った自転車の写真を投稿。「舗道までついてきた短気な運転手によって故意に衝突された!幸い私は無事。運転手はそのまま走り去った」とつづった。

 スペインのスター選手、アルベルト・コンタドール(Alberto Contador)もフルームのツイートに対し「言葉が出ない…!!!」と反応している。

 自転車ロードレースの最高峰ツール・ド・フランスで3度の総合優勝を誇るフルームの投稿は数時間のうちに1万6000回以上にわたってリツイートされ、その位置情報はモナコのすぐ隣にあるフランス・ボーソレイユ(Beausoleil)を示している。

 隣町マントン(Menton)の警察関係者は、「フルーム氏は、警官と面会したボーソレイユの警察署で被害届を提出した。非常に落ち着いた様子だった」とした上で、「彼は車に真後ろから激突された。けがはなかったが、自転車はぼろぼろになった」と語った。

 また、今後は道路際に設置された監視カメラの映像を検証するという関係者は、「彼が車のナンバーを持っていないのは問題だ。(運転手を突き止めるために)少しややこしくなるかもしれない」と話している。

 一方、フルームが所属するチームスカイ(Team Sky)によると、同選手は事故後、予備の自転車を取るため自宅に戻り、その後はトレーニングを再開しているという。

 先月には、2011年の第94回ジロ・デ・イタリア(2011 Giro d'Italia)で総合優勝を果たしたアスタナ(Astana Pro Team)のミケーレ・スカルポーニ(Michele Scarponi、イタリア)が、イタリア中部にある自宅近くでの練習中に小型トラックにはねられ、37歳の若さで死亡していた。

 フルームは、7月1日に独デュッセルドルフ(Dusseldorf)で開幕するツール・ド・フランスでタイトル防衛に挑む。(c)AFP