国内融和、労働改革…「マクロン大統領」が直面する5つの課題
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■雇用対策という鬼門
マクロン氏はこれまで、フランスが失業問題を解決できていないことを嘆いている。失業率はEU全体の平均で8.0%、隣のドイツではわずか3.9%なのに対し、フランスでは10%に達している。
マクロン氏は、前任者たちと同様、最初に雇用対策で評価が下されることになる。そのため、就任後最初の数か月間に行政命令で硬直化した労働法の改革を断行すると公約している。
マクロン氏は雇用分野の規制緩和や法人税の引き下げ、週35時間労働制の緩和により、2022年までに失業率を7%まで引き下げたいとしている。
■テロの脅威
フランスでは大統領選の第1回投票のわずか3日前に、パリ(Paris)中心部のシャンゼリゼ(Champs Elysees)通りで警官が銃で撃たれて死亡する事件が発生し、国内にテロの脅威がつきまとっていることを改めて浮き彫りにした。
国内では2015年1月以降、イスラム過激派による襲撃によって230人余りが死亡。襲撃の多くはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の名の下に実行されている。
マクロン氏はこうした治安問題にしっかり対処していること、そして軍の最高司令官としての役割を果たしていることも早急に示す必要がある。
■EU改革
英国離脱や移民危機に見舞われたEUの立て直しには、フランスとドイツの連携を再び活発にすることが不可欠だとマクロン氏はみている。
マクロン氏は就任後最初の1か月に欧州諸国の首都を訪れ、「ユーロ圏予算の創設、ならびに環境、産業、移住管理のための27か国の欧州(Europe of 27)の構築に関する5か年ロードマップ」を打ち出す計画だ。
マクロン氏はまた、軍事作戦と産業プログラムの連携によって欧州の防衛を強化していく決意も表明している。(c)AFP/Valérie LEROUX