【5月8日 AFP】米国では、大麻(マリフアナ)産業が活況を呈している。だが起業家らが、収益管理に当たろうとして気付き始めたことがある──それはこの完全な現金商売が、物流・警備・業務運営面で大きな問題を抱えている実態だ。

 大麻は同国の29州で医療用、8州で嗜好(しこう)品としての使用がそれぞれ合法化されているが、連邦法下では依然違法薬物として扱われている。

 このため大半の銀行が業界との関わりを拒否。その結果、全米の業者が現金のみでの取引を余儀なくされ、厳重に警備された「裏部屋」に大枚を保管し、輸送中も決して目立たないよう注意を払っている。

 大麻推進派の中心的存在で、カリフォルニア(California)州の医療用大麻販売会社「ハーバーサイド(Harborside)」の創業者でもあるスティーブ・ディアンジェロ(Steve DeAngelo)氏は、「非常に深刻な問題だ」と訴えている。

 またカリフォルニア州北部、同国最大の大麻生産地域である「エメラルド・トライアングル(Emerald Triangle)」で大麻栽培に当たるジャスティン・カルビノ(Justin Calvino)氏は、生産者も同じ問題を抱えていると述べ、自分を含む起業家にとって、ほぼ現金限定での商売以外に選択肢はないのだと不満を口にした。