【5月1日 AFP】北朝鮮の外務省報道官は1日、国営朝鮮中央通信(KCNA)を通じ、北朝鮮は最高指導者の決定によっていつどこでも核実験を行うだろうと警告する声明を発表した。

 長距離ミサイルの発射実験または6回目となる核実験の準備を進める兆候が北朝鮮にみられる中、米政府は北朝鮮がこれを実施した場合には軍事行動の可能性を排除しないとしており、この数週間で朝鮮半島の緊張は高まり続けている。

 こうした中、北朝鮮外務省報道官は1日の声明で、同国政府は「米国がいかなる選択肢をとろうとも、対応する準備はすべて整っている」とし、米国が敵視政策を撤回しない限り北朝鮮は「核先制攻撃」能力の強化を続けると述べた。

 また同報道官は、北朝鮮は核戦力の高度化措置を「最高首脳部が決定した任意の時刻、任意の場所」で連発的に継続していくと述べ、さらには、もしも北朝鮮が強力な核戦力で武装していなければ、米国は他国で行った侵略行為を「ためらわずに朝鮮でも行っただろう」と語った。

■米国と北朝鮮、威嚇の応酬

 北朝鮮はこの11年間に核実験を5回実施しており、現在は核弾頭を搭載したうえで米国本土に到達する能力を持つミサイルの開発が進展しているとみられている。

 毎春、米韓が定例の合同軍事演習を実施するたびに侵略目的の演習だと非難し、警告の度合いを高める北朝鮮だが、今年は米国と北朝鮮の双方が互いに威嚇しあう状況が続き、衝突の懸念が増している。

 米韓の合同軍事演習は終了したが、引き続き日本海(Sea of Japan)では米原子力空母カール・ビンソン(USS Carl Vinson)が率いる艦隊の海軍共同訓練が行われている。

 北朝鮮が最も直近に軍事力の誇示を試みたのは22日にレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)米国務長官が国連安全保障理事会(UN Security Council)で北朝鮮への圧力強化を要請した数時間後に実施したミサイル発射実験だが、これは失敗に終わっている。(c)AFP