【4月30日 AFP】米アーカンソー(Arkansas)州の連邦地裁判事は28日、同州政府当局に対し、27日に死刑を執行されたケネス・ウィリアムズ(Kenneth Williams)死刑囚(38)の遺体の検視を実施するよう命じた。ウィリアムズ死刑囚の弁護士は、刑の執行の際に同死刑囚がガタガタとけいれんしていたとする様子を伝え、その最期が「ぞっとする」ものだったと述べていた。

 アーカンソー州東部地区連邦地裁のクリスティン・ベーカー(Kristine Baker)判事は28日夜、複数の殺人罪で有罪判決を受けたウィリアムズ死刑囚の刑執行から24時間経たないうちに、検視の命令を下した。

 ウィリアムズ死刑囚は、1週間余りで相次いで死刑が執行された4人の最後の1人だった。南部の保守的なアーカンソー州で死刑が執行されたのは、2005年以来。

 同州政府当局は、死刑の薬物注射に使用される薬物の一つ、催眠鎮静剤のミダゾラム(Midazolam)の使用期限が迫っていることを理由に、集中して死刑を執行する必要があると主張していた。

 ベーカー判事はまた州当局に対し、ウィリアムズ死刑囚の血液と組織のサンプルを保管することも命じた。これは、27日に死刑執行を予定されていたジェイソン・マギー(Jason McGehee)死刑囚による申し立てを受けたもので、同州は11日間に8人の死刑執行を予定していたが、マギー死刑囚を含む4人は執行差し止めを勝ち取っていた。

 ウィリアムズ死刑囚の弁護士ショーン・ノーラン(Shawn Nolan)氏は、同死刑囚が刑が執行される間に苦しんだとして、米国自由人権協会(ACLU)と共に過度の苦痛をもたらす死刑執行ではなかったか、調査を求めている。

 今回の一連の死刑執行をめぐる裁判では、執行前に死刑囚の意識を失わせるために使用されるミダゾラムが争点になることが多く、専門家によるとミダゾラムは十分に意識を失わせることができない場合があり、その際は死刑囚は激しい苦痛を味わうという。(c)AFP