【4月29日 AFP】カナダ・モントリオール(Montreal)に住むリジアン・ロイ・マヘウさん(35)は、市中心部にあるレストランにヒラタケを配達する途中、バリスタの友人の所へ立ち寄り、コーヒーの出し殻がいっぱいに入ったバケツを受け取った。次の収穫のために必要だからだ。

 地元のビール醸造所から譲り受けた搾りかすをコーヒーの出し殻に交ぜると、高級キノコの栽培に適した豊富な栄養分を含んだ用土になる。

 キノコが栽培されている穴の開いたプラスチック製バケツは、2メートルの高さに積み上げられている。昔は労働者階級が多く、今では急速なジェントリフィケーションが進んでいる地区の倉庫の中だ。

 マヘウさんと同じ年の友人、ドミニク・リンチゴティエさんは週に3日、約200キロのキノコを収穫し、その日のうちに地区内の複数のレストランに配達している。

 ここでは、いわゆる循環経済が機能している。資源の再利用や再生によって生産性を向上させつつ廃棄物を減らし、環境を汚染しない仕組みが成り立っている。