【4月29日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王は28日、エジプトの首都カイロ(Cairo)を訪問し、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に襲撃されたキリスト教の一派コプト(Copt)教の教会で融和を呼び掛けた。

 今回フランシスコ法王が訪れた聖ペテロ・聖パウロ教会(Saint Peter and Saint Paul Church)では昨年12月に自爆攻撃があり29人が死亡した。エジプトでは今月9日にも教会2か所が襲撃され、近年のコプト教徒に対する攻撃としては最多の45人が死亡している。

 ISが犯行声明を出した一連の事件を受けカイロには非常事態宣言が発令されており、厳戒態勢が敷かれる中での訪問となった。

 聖ペテロ・聖パウロ教会訪問に先立ち、法王はエジプトのアブデルファタハ・シシ(Abdel Fattah al-Sisi)大統領と、イスラム教スンニ派(Sunni)の最高権威機関アズハル(Al-Azhar)の指導者、アフメド・タイブ(Ahmed al-Tayeb)師と会談。イスラム教とキリスト教の対話を促した。

 イスラム教徒とキリスト教徒に向けた演説で、法王は暴力とポピュリズムを非難した。

 ローマ法王がカイロのアズハル本部でその指導者と会談したのは今回が初めてで、カトリックとイスラム教の関係が改善していることを改めて印象付けた。(c)AFP/Samer Al-Atrush and Catherine Marciano