【4月29日 AFP】女子テニス、ポルシェ・テニス・グランプリ(Porsche Tennis Grand Prix 2017)は28日、シングルス準々決勝が行われ、マリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)が6-3、6-4で予選通過者のアネット・コンタベイト(Anett Kontaveit、エストニア)に快勝し、4強入りを果たした。

 四大大会(グランドスラム)通算5勝を誇る30歳のシャラポワは、世界ランク73位のコンタベイトを圧倒し、復帰から3戦連続でストレート勝ちを収めた。

 しかし、元世界ランク1位でスーパースターのシャラポワが26日に復帰初戦を迎えた今大会と同じく、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2017)とイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2017)でも主催者推薦(ワイルドカード)を獲得したことで、フランスのクリスティーナ・ムラデノビッチ(Kristina Mladenovic)をはじめ、多くのライバル勢から不満の声が上がっている。

 世界ランク19位のムラデノビッチは、準々決勝でカルラ・スアレス・ナバロ(Carla Suarez Navarro、スペイン)を6-3、6-2で下した試合後、「現代のスポーツ界は、メディアとビジネスでも成り立っています。ビッグネームであるマリアは、観客を呼べる選手です」と話し始めた。

「ある意味で、大会側が彼女をドローに入れたがることは完全に理解しています。なぜなら彼女はとても有名であり、大会側としては注目を高めることがビジネスの一環だからです。その一方で、これが公平なワイルドカードなのか疑問です。彼女はドーピングが発覚しましたが、初めての違反者というわけではありませんでした」

「ほかの選手も復帰してテニスをする権利はあるのに、違う道を歩んでいます。彼らは大会に招待してもらえません。もちろん、彼女には再びテニスをする権利はありますが、ほかの選手と比べてなぜ特別待遇を受けられるのでしょうか?」

 ムラデノビッチの発言が29日の準決勝でモチベーションになるか問われると、シャラポワは「まったくならない」とそっけなく答えた。

「そうしたことを自分の復帰に利用する人間ではありません。私はテニスを通じて話をします。試合の結果が、自分が話さなければならないことの全部です。復帰で最も重要なのは、コートの上で起きることです」 (c)AFP/Ryland JAMES