【4月27日 AFP】中米ニカラグアの首都マナグア(Managua)で26日、悪魔払いの儀式によって女性(25)が隣人らによって火の中に放り投げられて死亡した事件の裁判が開かれ、女性が殺害される前に1週間にわたり食事を与えられず、暴行を受けていたことが目撃者らの証言で明らかになった。

 この事件では、牧師のフアン・ローシャ(Juan Rocha)被告を含む5人が、悪魔に取りつかれているとしてビルマ・トルヒーヨ(Vilma Trujillo)さんを殺害した罪に問われている。

 公判2日目のこの日の様子は国内のテレビで生中継された。公判で証言した親族らは、ローシャ被告が別の被告らを使ってトルヒーヨさんを拘束し、暴行を加え、食べ物や水を与えず、訪問者にも会わせなかったと述べた。

 トルヒーヨさんのいとこのロベルト・トルヒーヨ(Roberto Trujillo)さんは、「彼(ローシャ被告)は私たちに、彼女(トルヒーヨさん)は悪魔にすぎないのだから愛情を感じてはならず、頭を残して燃やさなければならないと言った」と証言した。

 事件はニカラグア北東部の村で起き、トルヒーヨさんに対する陰惨な儀式は2月15~21日の間、続けられた。目撃者らによると、トルヒーヨさんは拘束されて裸にさせられ、火の付いたまきの上に投げられたという。

 トルヒーヨさんの父親といとこが、彼女が拘束されていた小さな教会に助けに行った時には、彼女は裸にされて5時間焼かれ、重度のやけどを負わされた状態だったという。トルヒーヨさんは2月28日にマナグアの病院で死亡した。

 公判で証言した法医学専門家によると、トルヒーヨさんは400度の炎にさらされたとみられるという。(c)AFP