■「振り上げた拳のやり場に困っている」だけ?

 トランプ氏はまた、習近平(Xi Jinping)国家主席との首脳会談後、中国が予測不能な同盟国、北朝鮮を制御できないなら米国による単独行動も辞さないと豪語している。

 英シンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」米ワシントン(Washington)支部の所長を務めるマーク・フィッツパトリック(Mark Fitzpatrick)氏はAFPの取材に対し、「トランプ氏が優位に立てば、米国がどんな動きに出るのか不確実な要素が非常に大きくなる」「彼のツイッター(Twiter)上の脅し文句を読む者には、同氏が北朝鮮も攻撃するのではないかという疑念を抱かせるはずだ」と分析する。

 トランプ氏のツイートにはどぎつい表現が多いことに加え、同氏が気まぐれなせいで、中国政府にも不安が広がっていると指摘する声もある。

 とはいえ、米政府はその発言を実際の行動には移していない。朝鮮半島に海軍艦隊を派遣したと発表した際には、実際は何千キロも離れた場所に艦隊が向かっていたことが判明し、失態の釈明に追われた。

 米政府が大口をたたいた手前、信頼性を維持するために引っ込みがつかなくなるという「振り上げた拳のやり場に困る」状況が生まれるのではないかという見方もある。

 フィッツパトリック氏は、「本音とはったりとの区別がつきにくく、しかもトランプ大統領は人をハラハラさせる名人」としながらも、トランプ氏は「以前の約束を遂行することにさほどこだわらないタイプに見える」と付け加えた。「自身の政策選択の判断に関しては限りなく柔軟だ」(c)AFP/Hwang Sunghee