民間ベーシックインカム制度を試すスタートアップ企業、独首都
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【5月8日 AFP】ドイツの首都ベルリン(Berlin)に住むミコ君はまだ5歳だが、すでに生活資金として月収1000ユーロ(約11万6300円)を得ている。不正ではない。ユニバーサル・ベーシックインカム(UBI、全国民向け最低所得保障)の試験運用の一環として得ているものだ。
スタートアップ企業「マイン・グルントインコメン(Mein Grundeinkommen、私のベーシックインカム)」に選ばれた85人(うち10人が子ども)が、2014年からこれを受け取っている。
同社の創設者ミヒャエル・ボーマイヤー(Michael Bohmeyer)氏(31)は、UBIに対して懐疑的なドイツの世論に対し、UBI構想が有効であることを証明しようと実践に立ちあがった。同氏は「私が初めて手掛けたこのスタートアップのおかげで、自分も定収入を得られるようになり、生活はよりクリエーティブで健全になった。だから今度は社会的実験を始めたいと思った」とAFPに語った。
UBI構想を試してみたいと考えたのは、ボーマイヤー氏だけではなかった。約5万5000人がインターネット上で資金提供を募るクラウドファンディングを通じてUBIの給付に必要な資金を拠出した。実際にUBIを受け取る人は、インターネットでライブ配信された抽選イベントで選ばれた。
ミコ君の母親のビルギット・カウルフスさんによると、抽選に当たったミコ君自身はよく分かっていないが、息子が選ばれたとき一家は活気づき、おかげで暮らしにゆとりが生まれ、休日に初めて家族で出掛けることもできたという。