【4月23日 AFP】自転車ロードレースチームのアスタナ(Astana Pro Team)は22日、2011年の第94回ジロ・デ・イタリア(2011 Giro d'Italia)で総合優勝を果たしたミケーレ・スカルポーニ(Michele Scarponi、イタリア)が、トレーニング中に小型トラックにはねられて死亡したと発表した。37歳だった。

 5月5日にサルデーニャ(Sardinia)島で開幕する今季最初のグランツール、ジロ・デ・イタリアの第100回大会に照準を定め、ギアを上げていたスカルポーニだったが、事故はイタリア中部にある自宅近くの交差点で起きた。

 アスタナは声明で「言葉にならない悲劇」と述べ、夫人と2人の子どもを残して亡くなったスカルポーニに哀悼をささげると、「チームは悲しみのどん底にあるミケーレの家族に寄り添っている」とコメントし、公式ツイッター(Twitter)には「チャオ(さようなら)、ミケーレ」と投稿した。

 21日に閉幕したツアー・オブ・ジ・アルプス(Tour of the Alps)を総合4位で終えたスカルポーニは、自宅に戻って家族との時間を過ごしていた。地元紙イル・レスト・デル・カルリーノ(Il Resto del Carlino)は、警察から得た情報として、小型トラックの運転手はスカルポーニが「目に入らなかった」と話したと伝えている。

 2002年にプロ生活をスタートさせたスカルポーニは、キャリアの終盤を迎えていたが、ツアー・オブ・ジ・アルプスの初日には、チームスカイ(Team Sky)のゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)やFDJのティボー・ピノ(Thibaut Pinot、フランス)を抑え、4年ぶりのステージ優勝を飾っていた。

 スカルポーニはまた、チームメートのファビオ・アール(Fabio Aru、イタリア)が故障のためジロを欠場することになり、今年のジロでアスタナの総合エースを務める予定だった。アールは自身のツイッターに「悲劇だ。言葉にならない。友よ、安らかに」と投稿している。

 アルベルト・コンタドール(Alberto Contador、スペイン)のドーピング違反により、繰り上げでジロの2011年大会総合王者になったスカルポーニは、自身も禁止薬物の使用により、2007年から2008年にかけて出場停止処分を受けている。

 コンタドールもスカルポーニの事故にいち早く反応し、ツイッターに「体がまひして言葉を失っている」と投稿。スカルポーニについては「最高の人物で、見ている人がついほほ笑んでしまうような笑顔を持っていた」とコメントした。(c)AFP/Stanislas TOUCHOT