【4月23日 AFP】大統領選の第1回投票を23日に控え緊張が続くフランス首都パリ(Paris)の北駅(Gare du Nord)で22日、ナイフを持った男が逮捕された。20日にはイスラム過激派の男が警官を殺傷する事件が発生していたため、同駅は短時間であるもののパニック状態に陥ったという。

 関係筋は、「男が駅にナイフを持って侵入し、通報を受けた警官に間もなく逮捕された」と述べた。この事件で負傷者は出ていない。

 別の警察関係者によると、容疑者逮捕で同駅に居合わせた旅行者はパニックに陥り、荷物を駅の中に残して逃げ惑ったという。容疑者は20歳のマリ人の男で、旅行者から「駅の中でナイフを手に持った男」がいると通報を受けた警官により拘束された。

 事件後北駅はしばらく閉鎖されたが、午後4時(日本時間同11時)ごろ再開した。現場に居合わせたAFP記者によると、英ロンドン(London)行きの高速鉄道ユーロスター(Eurostar)も短時間、運行が停止された。

 今回の事件はフランス大統領選の第1回投票の前日、パリ中心部シャンゼリゼ(Champs Elysees)通りで発生した警官殺傷事件の2日後に起きた。フランスは、239人の犠牲者が出た2015年の襲撃事件以来、現在も非常事態宣言下にある。(c)AFP