【4月21日 AFP】欧州に生息する両生類で、以前より種の存続が危ぶまれていたサラマンダーが、新たな病原性真菌によって個体群消滅の危機に追い込まれているとの新たな研究結果が発表された。この菌は、広範な生物多様性を脅かしているという。

 19日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された研究論文によると、西欧のファイアサラマンダーはこの非常に感染力が高い病原菌に対抗するための免疫反応を持たないため、少量の菌でも同地域の個体が全滅する可能性があるという。

 論文の主執筆者で、ベルギー・ゲント大学(Ghent University)のアン・マルテル(An Martel)教授は「この菌は、破滅的な事態をもたらす」と語る。「結果として、6か月以内に、感染したファイアサラマンダー個体群は個体数が90%以上減少し、ついには全滅に追い込まれる」

 ゲント大などの生物学者チームは、2014年の流行を受けて、脆弱(ぜいじゃく)なサラマンダーのコロニーを2年間にわたり観察。その結果、この病原菌の致命的な影響に関する今回の恐ろしい発見に至った。