■大切なのは人のつながり

 リャオ氏の友人で元ヤフー幹部のアダム・タガート(Adam Taggart)氏は数年前にシリコンバレーからサンフランシスコ(San Francisco)の北にあるワイン産地ソノマ(Sonoma)へ移住した。

 タガート氏によれば、トランプ大統領就任の他にも、膨らむ財政赤字やインフレ、天然資源の乱開発が欧米社会を終末論シナリオに向かわせているという。

 危機に備える人たちに助言を与える企業ピークプロスペリティー(PeakProsperity)の共同創設者兼代表のタガート氏は、果樹園と養鶏、養豚、数か月はもつ缶詰食品と水で「半自給」生活を送っている。

 タガート氏は現金と金(ゴールド)を手元に置き、発電機とまき、浄水システムを備えている。猟をする必要が生じたときに備え、銃も数丁持っている。眼鏡をかけずに済むように視力回復のレーザー手術も受けた。

「私が今暮らしている場所には貧富の格差があまりない」と、タガート氏は言う。また、1週間に1度会うサバイバリストの友人たちがいると付け加えた。

「状況が悪くなれば、私たちは結束するだろう」とタガート氏は言う。「独りで生き残るのはとても難しい」(c)AFP/Veronique DUPONT