【4月16日 AFP】16-17ドイツ・ブンデスリーガ1部は15日、第29節の試合が行われ、フランクフルト(Eintracht Frankfurt)を3-1で退けたボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)は、爆弾攻撃の標的にされるショッキングな一週間を感動的な勝利で終え、トーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)監督も「信じられない強さ」と選手の精神力をたたえた。

 ASモナコ(AS Monaco)との欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)準々決勝第1戦を控えていた11日、チームバスの近くで起こった爆発に巻き込まれる事件に遭ったドルトムントは、これが事件後初となる国内リーグ戦の試合となった。

 手首を手術したDFマルク・バルトラ(Marc Bartra)が退院したこの日、ドルトムントはけがから6週間ぶりに復帰したマルコ・ロイス(Marco Reus)が先制点を挙げると、ソクラティス・パパスタソプーロス(Sokratis Papastathopoulos)とピエール・エメリク・オーバメヤン(Pierre-Emerick Aubameyang)が追加点を記録し、4位以内をほぼ確定させてショッキングな一週間の最後に明るい材料を手にした。

 試合終了のホイッスルが吹かれると、選手はバルトラの背番号5が入ったユニホーム掲げて本拠地のファンとともに勝利を喜び、ソクラティスは「きょうのゴールはバルトラとその家族にささげる」とコメントした。

 12日のモナコ戦終了後に事件のショックからまだ立ち直れていないと話していた選手の中には、フランクフルトとの試合後に涙をこらえる人もいた。トゥヘル監督は「選手が(爆発による)気持ちの動揺との折り合いのつけ方を学んでいる。選手は信じられない強さを見せた。最高の賛辞を受け取るにふさわしい。素晴らしい内容だった」と称賛した。

「選手としては、ピッチに出ている方が楽だっただろう。バルトラはわれわれの仲間の一人であり、試合後のファンとの触れ合いは素晴らしかった。ああいった感動的な瞬間はとても大切だ」

 主将のマルセル・シュメルツァー(Marcel Schmelzer)は、試合を通じてまた少し気持ちが落ち着いたと話し、チーム一丸でトラウマを乗り越えようとしていることや、クラブから心理療法を提供されていることを明かした。

「きょうの90分の方が、12日の試合よりも楽だった。ゴール裏のファンの前で鳥肌が立つような瞬間も経験できたし、前回よりも状況は良くなっている」

「バルトラとはまめに連絡を取り合っている。順調に回復しているし、本人もできるだけ早くチームに復帰したいと思っている」

「みんなでたくさん話し合い、みんなで乗り越えようとしている。専門家の助けも、すごく良いことだと思う。とにかく、ここから状況が良くなってくれればいい。あのおかげで、チームの団結は増すと思う」

 ドルトムントは、次週19日に行われるモナコとの第2戦でも、再び気持ちの強さを試される。第1戦を2-3で落としているドルトムントは、2013年以来となるチャンピオンズリーグ4強入りに向けて逆転勝利を目指す。(c)AFP/Ryland JAMES