【4月14日 AFP】恐竜の進化における「ミッシングリンク(失われた環)」が、タンザニアで1930年代に発見された化石が一助となって特定された。この恐竜の祖先は、首が長く、四足歩行でワニに似た姿をしていたという。

 英国の自然史博物館(Natural History Museum)が所蔵する2億4500万年前の化石は、1950年代に古生物学者のアラン・チャリグ(Alan Charig)氏によって一度は研究が進められたが、当時はまだ骨格が不完全だった。2015年にタンザニアで新たな化石が発見されたことで「Teleocrator rhadinus」のより詳細な骨格が明らかになった。

 12日に論文を掲載した英科学誌ネイチャー(Nature)は、「今回の発見によって、恐竜の初期の進化については再考が余儀なくされる」とその要約で述べた。

 論文の執筆者の一人である米バージニア工科大学(Virginia Tech)のスターリング・ネスビット(Sterling Nesbitt)助教(地球科学)は、「これほど重要な新種の発見は、一生に一度の経験だ」と語る。

 国際研究プロジェクトでは、主竜類と呼ばれる爬虫類の大きな分類群が、ワニに至る系統と鳥類に至る系統とに枝分かれした進化の過程に焦点を当てた。

 恐竜は鳥類に至る系統から進化したとされている。しかし、研究チームは、恐竜の出現時にすでに絶滅していたTeleocratorsが、ワニに似た姿をし、恐竜の初期の姿に関する一般的な考察とは一致しないことが分かったと説明している。

 別の執筆者で、米シカゴ(Chicago)フィールド自然史博物館(Field Museum of Natural History)の学芸員、ケン・アンジルチェク(Ken Angielczyk)氏は、「Teleocratorが予想に反してクロコダイルのような特徴を有していたことから、恐竜の最初期の進化についての考えを全面的に見直す必要がでてきた」とコメントしている。(c)AFP