【4月14日 AFP】ドイツ・ブンデスリーガ1部、ボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)の一行を乗せたバスのそばで爆発が発生した事件を受け、イングランド・プレミアリーグ、リバプール(Liverpool FC)のユルゲン・クロップ(Jurgen Klopp)監督は13日、自身がかつて指導した選手の身の安全を危惧していたことを明らかにした。

 ドルトムントの一行はASモナコ(AS Monaco)との欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2016-17)準々決勝第1戦を控え、11日にチームバスで本拠地ジグナル・イドゥナ・パルク(Signal Iduna Park)に向かっていたが、その途中で3度の爆発に襲われた。

 ドルトムントで7年間指揮を執り、現在所属する選手の多くを自らが獲得したクロップ監督は、爆発事件の一報を聞いてすぐに最悪の事態を恐れたという。DFマルク・バルトラ(Marc Bartra)が手首を負傷して手術が必要となったものの、爆発により致命的なけがをした関係者はおらず、クロップ監督は胸をなでおろしたと話している。

「想像できると思うが、私にとって本当につらい時間だった。あのホテルには何度も泊まっている。私は道も熟知しているし、バスには大勢の友人たちが乗っていた」

「すぐに情報を得るために動いた。とても心配していたし、みんなのことを思いずっと不安だった」

「数人の連絡先は知っていたが、私のばかげた質問で彼らを悩ませたくなかった。だから世界中のみんなと同じように、新しい情報を待っていた」

■「選手の目にはショックが浮かんでいた」

 ドルトムントのトーマス・トゥヘル(Thomas Tuchel)監督は12日、チームの精神状態をないがしろにしたとして、試合開始時間を事件発生の24時間後に決定した欧州サッカー連盟(UEFA)を批判している。トゥヘル監督は事件発生の翌日に試合が延期されたことをメールで伝えられたと主張し、チームも2-3でモナコに敗れた。

 クロップ監督は、トラウマが残るような経験をしたドルトムントの選手に対するUEFAの精神面への配慮が足りなかったとして、トゥヘル監督の批判に同調している。

「タイトなスケジュールの中で日程を決めるのは難しいけれど、選手がプレーしたくないと言っていたのであれば、誰であろうともそれを理解してあげなければならなかったと思う」

「かつての教え子の試合後の表情を見たが、彼らの目にはショックが浮かんでいた。本当につらかった。正常な状態に戻るには時間がかかるんだ」

「バスに乗っていた当事者に試合日程を決める権限があれば、試合は行われなかっただろう。実際にバスに乗っていなければ、彼らがどういう状態だったのかを想像することはできない」

 ドイツの連邦検察当局は、3通の犯行声明が見つかったと明かしており、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」系の組織のメンバーの犯行の可能性があるとしている。

 欧州ではサッカーを含めた各種イベントでテロが頻発しており、プレミアリーグの警戒レベルも上昇しているが、クロップ監督は自身や選手に対しては特別な懸念はないと話している。

「われわれはできることすべてをやっている。新しいアイデアを持ったテロリストへの対応を準備することができるのだろうか? 心配しているか?答えはノーだ。われわれには全身全霊をささげることしかできない。最高のセキュリティーのために、みんながベストを尽くしてくれていることは分かっている」(c)AFP