【4月13日 AFP】のこぎりのような頭部で知られる、オーストラリア原産のノコギリエイがワニにかみつかれている珍しい画像が公開され、絶滅の危機にあるこのエイが、ワニやサメといった捕食生物に対してほとんど防衛手段がないことが明らかとなった。

 画像は豪マードック大学(Murdoch University)が公開したもので、オーストラリアワニが幼いノコギリエイにかみついている様子が捉えられていた。研究者らによると、海ではメジロザメなどの捕食生物にも標的とされるノコギリエイは、成長すると体長約6メートルにまでなるが、生後、成体になって海に戻るまで5年ほど川の上流で過ごすことから、しばしば今回の画像のようなことが起きているのだという。

「サイエンティフィック・ナチュラリスト(Scientific Naturalist)」に発表された調査結果によると、研究者たちはウエスタンオーストラリア(Western Australia)州を流れるフィッツロイ川(Fitzroy River)で39匹のノコギリエイを調査し、その約60%にワニやサメから受けた傷を確認したという。

 ノコギリエイは、生息域の減少や、漁網に掛かったり釣り人に捕らえられたりしていることから、その絶滅のリスクが高まっているという。(c)AFP