【4月11日 AFP】イタリア中部ルッカ(Lucca)で開催された先進7か国(G7)外相会合はシリア情勢をめぐって協議し、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領が政権に就いたままの平和的解決は不可能だとの見解で一致した。フランスのジャンマルク・エロー(Jean-Marc Ayrault)外相が11日、明らかにした。

 エロー仏外相は報道陣に対し「バッシャール・アサドのいるシリアに未来はない」との見解で一致したと語った。またアサド政権を支援するロシアへのメッセージとして「偽善をやめ、政治プロセスへ明確に戻るときだ」と述べた。

 シリア反体制派が掌握する都市で民間人少なくとも87人が死亡し、化学兵器が使用された疑いが浮上して以降、米国はアサド政権への態度を硬化させ、シリアの空軍基地をミサイル攻撃して応酬した。

 G7外相らが外交手段を通じたシリア内戦の解決を呼び掛ける中、レックス・ティラーソン(Rex Tillerson)米国務長官は「われわれはその未来の一部にバッシャール・アサドがいないことを望む」と述べ、いかなる平和的解決にもアサド大統領が存在する余地はないとする米国の認識を示した。

 その後、ティラーソン氏は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相と会談するためにG7外相会合後、モスクワ(Moscow)へ向かった。

 G7首脳らはさらに11日、シリア問題に特化した特別会合を、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)の外相らともった。(c)AFP