【4月11日 AFP】インドネシアの首都ジャカルタ(Jakarta)で11日、汚職捜査で著名な捜査官がバイクに乗った襲撃犯によって顔に酸をかけられる事件が発生した。反汚職活動を行うNGOは、今回の事件が大物政治家の関与が指摘される汚職と関連があるとみている。

 汚職捜査機関「汚職撲滅委員会(KPK)」のメンバー、ノベル・バスウェダン(Novel Baswedan)氏はモスクでの朝の礼拝を終え、自宅へと歩いて帰る途中で襲撃を受け、現在は病院で治療を受けている。

 病院にバスウェダン氏を訪ねた大統領府のヨハン・ブディ(Johan Budi)報道官はAFPの取材に応じ、バスウェダン氏が額にけがをし、さらに左目の視界がぼやけていると明かした。

 インドネシアは世界で最も汚職がはびこる国の一つとされ、過去には汚職を取り締まる捜査官らが標的になり、車でひかれたり、脅迫を受けたりするケースが報じられている。

 今回の襲撃事件の首謀者は明らかになっていないが、KPKが捜査を進めている。また反汚職活動を行うNGO「インドネシア汚職監視団(Indonesian Corruption Watch)」は、1億7000万ドル(約187億円)もの金が国庫から持ち出された汚職スキャンダルを、バスウェダン氏が捜査していたことと今回の事件に間に関連があるとの見解を示した。(c)AFP