【4月11日 AFP】2026年のサッカーW杯(World Cup)で大会史上初となる3か国共同開催を目指し、米国、メキシコ、カナダが10日、開催地に立候補すると表明した。

 米国サッカー連盟(USSF)のスニル・グラティ(Sunil Gulati)会長は、カナダサッカー協会(CSA)とメキシコサッカー連盟(FEMEXFUT)の会長とともにニューヨーク(New York)でW杯招致名乗りを上げることを発表した。メキシコとは緊張関係にあるものの、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領からも全面的な支援を得たことを明らかにした。

 米国では決勝トーナメントの全試合を含む計60試合、カナダとメキシコではそれぞれ10試合ずつが行われることになると明かした同会長は、政治が招致活動を阻害する可能性を否定。トランプ大統領がメキシコの参画に関して「ことのほか喜んでいた」と強調し、「米大統領は全面的に協力している。一部で持ち上がっている懸念については、まったく心配していない」と語った。

 トランプ大統領は昨年の選挙戦で、メキシコからの移民を「犯罪者」や「強姦魔」呼ばわりして同国との国境に壁を建設すると公約するなど、攻撃的な発言を繰り返して当選を果たした。

 2015年にスポーツ界を揺るがせた国際サッカー連盟(FIFA)の汚職スキャンダルでジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)前会長が失脚し、米国検察がその捜査で主導的役割を果たしているものの、今回の共同招致に対しては、早くも最有力候補の声が上がり始めるとみられる。

 米国は1994年に初めてW杯を開催し、24か国が戦った試合の行われた各スタジアムには大勢の観客が押し寄せるなど商業的に大成功を収めた。同大会では合計52試合で350万人以上、一試合平均で6万8991人を集客し、現在までW杯史上最大の観客動員数を保持している。

 メキシコは、ペレ(Pele)氏を擁するブラジルが優勝した1970年大会と、ディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)がけん引するアルゼンチンがタイトルを獲得した1986年大会を開催した実績がある。

 一方、カナダは男子のW杯開催経験が一度もなく、代表チームが出場したのもグループリーグ敗退となった1986年大会のみとなっている。しかしながら、米国が優勝した2015年の女子W杯カナダ大会(FIFA Women's World Cup 2015)では、開催国として高い評価を受けた。(c)AFP/Catherine TRIOMPHE