【4月8日 AFP】南スーダン南部エクアトリア(Equatoria)地方のパジョク(Pajok)で今月3日に政府軍と反政府勢力による戦闘が発生したことから、今週に入り6000人以上が避難していることが分かった。避難民らは政府軍が市民を虐殺していると話している。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が7日に明らかにした。エクアトリア地方はかつては平和な地域だったが、ここ数か月は戦闘が急増している。

 UNHCRの声明によれば、戦闘発生以来、隣国ウガンダ北部ラムォ(Lamwo)県に逃げ込んだ人々は6000人以上に上っている。武装グループが幹線道路を封鎖しているため、低木地帯に身を隠しながらウガンダを目指している人々も多数いるという。また「最近の衝突から逃げてきた人々は、町が南スーダン軍の無差別攻撃に遭っていると主張している」という。

 5日にパジョクから避難し、匿名でAFPの取材に応じた地元の牧師は、戦車で町に入って来た兵士らが「私たちが見ている前でいきなり銃を発砲し始めたので逃げるしかなかった」と語った。同牧師と英国教会のバーナード・オリンガ(Bernard Oringa)主教は135人前後の市民が殺害されたと報告しているが、独自検証は困難な可能性がある。

 一方、南スーダン政府のマイケル・マクエイ(Michael Makuei)情報相はAFPに対し、政府軍がパジョクを攻撃したことを認めた。

 マクエイ情報相は「反政府勢力に掌握されているパジョクに政府軍を派遣したところ戦闘が発生し、反政府勢力と行動を共にしていた市民も逃走を余儀なくされた」と説明。死傷者数については把握していないとしながらも「どのような戦闘でも死者が出るのはやむを得ない」と述べた。(c)AFP