【4月4日 AFP】約3700年前に造られたエジプトのピラミッドの遺構が、スネフル王(King Snefru)の有名な「屈折ピラミッド」の近くで発見された。同国考古省が3日、発表した。

 考古省によると、古代エジプト第13王朝時代のものとみられるこのピラミッドは、首都カイロ(Cairo)から約30キロ南に位置するダハシュール(Dahshur)にある王家の墓地遺跡で発見されたという。

 考古省は、発見物の中には「古代エジプト文字ヒエログリフが縦に10行刻まれたアラバスター(大理石に似た白い石)のブロック1個」が含まれていると同遺跡の発掘チームを率いるアデル・オカーシャ(Adel Okasha)氏の発言を引用して伝えた。

 花こう岩製のまぐさ石(出入り口などの上部の横材として用いた石)や石材も見つかっており、これらによって「ピラミッドの内部構造」の詳細がより明らかになるだろうと、考古省は指摘している。

 考古省提供の写真には、発見された石材と回廊の入り口部分が写っている。発掘調査はいまだ初期段階にあり、ピラミッドの大きさはまだ確定されていない。

 考古省によると、この回廊は「ピラミッドの内部に通じており、傾斜路と部屋の入り口へ続いている」という。

「発見されたピラミッドの各部分はすべて非常に良好な状態にあり、より多くの部分を明らかにするために、さらなる発掘調査を実施する予定だ」と、考古省は述べている。

 エジプト考古最高評議会(Egyptian Supreme Council of Antiquities)の事務局長だったザヒ・ハワス(Zahi Hawass)氏はAFPの取材に、世界最古の文明の一つの発祥地であるエジプトには123基の古代ピラミッドがあると語った。

 エジプトで前回古代ピラミッドが発見された2008年のカイロ南郊サッカラ(Saqqara)での発掘調査に参加したハワス氏によると、ダハシュールの遺構は、この墓が「夫か息子のそばに埋葬された女王」のものであることを示しているように思われるという。

「目下の期待は、このピラミッドの所有者の身元を明らかにする碑文が見つかることだ。今まで知られていなかった女王の名前の発見は歴史に刻まれるだろう」と、ハワス氏は話した。(c)AFP