【3月26日 AFP】米プロバスケットボール協会(NBA)は25日、ニューヨーク・ニックス(New York Knicks)のヨアキム・ノア(Joakim Noah)を薬物違反で20試合の出場停止にすると発表した。出場停止期間中の給料は支払われない。

 協会によれば、アナボリックステロイド(筋肉増強剤)と同じ効果のある選択的アンドロゲン受容体調節剤「LGD-4033」がテストで検出されたとしている。

 ノアは2月に左膝の手術を受けて戦線離脱している。出場停止は試合に出られるようになったレギュラーシーズン、もしくはプレーオフの1試合目から適用されるため、来シーズンの序盤は試合に出られない。

 ニックスは25日時点で27勝45敗の東カンファレンス12位タイとなっており、プレーオフ最後の1枠となる8位マイアミ・ヒート(Miami Heat)には8ゲーム差をつけられ、プレーオフ出場はほぼ絶望的となっている。

 ノアは市販のサプリメントを摂取して陽性となった。これは現在NBAと選手側が結んでいる団体協定で禁止されているものだが、7月から発効する新協定では、意図的な摂取ではなかった場合、その主張が処分を決める際に考慮される。

 選手協会(NBPA)は声明を発表し、新協定ではノアに処分は下されないだろうとの見解を示した。一方で、ノア本人と協会のどちらも異議申し立てを行うつもりはないという。

 NPBAは「徹底調査を経て、NPBAはヨアキム・ノアが意図的に、あるいは自覚的に違反を犯したわけではないと信じています。今回の特殊な事例は、残念な過失だと考えています。ヨアキムはすでに違反を深く反省しています」とコメントし、調査を通じてノアが「完全に正直で協力的だった」と明かした。

 ノアは2月4日に左膝の内視鏡手術を受けており、今季中の復帰はないとみられている。減額される年俸は、復帰時期によって250万ドル(約2億8000万円)から275万ドル(約3億円)になると予想される。

 2007年のドラフトで全体9位指名されてシカゴ・ブルズ(Chicago Bulls)に入団したノアは、オールスターゲームに2回出場し、2014年には最優秀守備選手のタイトルを獲得。2016年夏に4年総額7200万ドル(約80億円)でニックスと契約を結んだ。

 しかし、今季は今回の膝のけがの前にもハムストリングを痛めて離脱するなど故障に苦しみ、46試合に先発して1試合平均5.0得点、8.8リバウンド、2.2アシストの成績にとどまっていた。

 現在32歳のノアは、仏テニス界のレジェンド、ヤニック・ノア(Yannick Noah)氏を父に持ち、フランスの他に米国とスウェーデンの国籍も持っている。(c)AFP