【3月23日 AFP】バングラデシュ銀行(Bangladesh Bank、中央銀行)のシステムが昨年不正アクセスの被害に遭い、米ニューヨーク連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of New York)に保有する口座から8100万ドル(約90億円)が盗み出された事件で、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)は22日、米検察当局が北朝鮮政府の指示を疑っていると報じた。

 同紙が匿名の関係者の話として伝えたところによると、米検察は仲介役を果たした疑いのある複数の中国人を立件する方向で動いているという。

 昨年2月に起きたこの事件では、犯人らが不正に入手した国際銀行間通信協会(SWIFT)の送金システムのアクセスコードを用いて、バングラデシュ銀行がニューヨーク連銀に持つ口座から預金をフィリピンの口座に移した。

 米検察が実際に訴追に踏み切るのか、訴追するとすればいつになるのかは不明。北朝鮮当局者の訴追は見送られても、同国の関与は取り上げられる可能性がある。

 米セキュリティーソフト大手シマンテック(Symantec)の研究員らはバングラデシュ銀行の預金を盗んだハッカー集団について、米国の金融システムを標的とした一連のサイバー攻撃や、2014年の米映画製作大手ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(Sony Pictures Entertainment)に対する攻撃にも関与していた可能性が高いとの見方を示している。(c)AFP