世界のムスリムファッション市場は急成長しており、イタリアの「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」や日本の「ユニクロ(UNIQLO)」など国際的なブランドがイスラム教徒向けの製品を販売している。ユニクロは、2015年に英国生まれのデザイナー、ハナ・タジマ(HANA TAJIMA)とムスリム女性をターゲットにしたラインを作り、イスラム教の断食月で買い物客も増える「ラマダン(Ramadan)」の時期を狙って売り出した。

 インドネシアのムスリムファッションは、目もと以外をすべて覆うニカブを着用する女性が多いサウジアラビアなど、一部の湾岸諸国とは大きく異なる。米世論調査機関ピュー・ リサーチ・センター(Pew Research Center)によると、世界人口におけるイスラム教徒の割合は、2050年までに30%近くになる。そうした中、インドネシアはその「控えめな装い」のトレンドで世界のファッションをリードすることを目指している。

「インドネシアの人口は2億5000万人で、70~80%がムスリムだ」と、「ジャカルタ・ファッションウィーク(Jakarta Fashion Week)」のディレクターを務めるレンニ・テジャ(Lenni Tedja)氏は言う。「控えめなファッションは今、とてもクリエーティブで、ファッショナブルでスタイリッシュになっている。だから、より多くの若者たちが控えめなウエアを着るようになっている」

 テジャ氏は、インドネシアのファッション業界はムスリム以外の消費者にも目を向けていると語る。「私たちの控えめなファッションは、非ムスリムでも着ることができる。だから実のところ、市場の幅はかなり広い」(c)AFP/Harumi OZAWA