【3月21日 AFP】シリア北部の広範囲を支配下に置くクルド人民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」は20日、ロシア軍から「現代的な戦術の訓練」を受けることで合意したと発表した。シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権を支援するロシアがYPGとこうした合意を結ぶのは初めてのことで、YPGを「テロ組織」とみなすトルコからの反発が予想される。

 YPGの報道官はAFPに対し、クルド人勢力が支配するシリア北部の自治区の一つ、アフリン(Afrin)にある訓練キャンプに既にロシア軍が入っていると明らかにした。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」は20日、100人近いロシア軍兵士がアフリンに入っていると発表した。

 YPGは、米軍が支援するクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」の大半を構成。SDFはこれまでにシリア北部のかなり広い地域をイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から奪還している。

 米国防総省のジェフ・デービス(Jeff Davis)報道官は、ロシアから訓練を受けるクルド人部隊は米国が過去に手を組んだ部隊ではないとし、クルド人部隊は「多種多様な人々」で構成されていると述べた。(c)AFP