【3月17日 AFP】イタリア・シチリア(Sicily)島にある欧州最大の活火山、エトナ山(Mount Etna)で16日、爆発的噴火があり、飛来した岩石や溶岩に当たって10人が負傷した。山の上部斜面で恐怖の体験をした英BBC放送の記者らが明らかにした。

 同山に詳しいドイツ人火山学者のボリス・ベーンケ(Boris Behncke)氏は自身のフェイスブック(Facebook)ページで、溶岩が雪の上を流れた際に発生した水蒸気が蓄積され、爆発を引き起こしたと説明。「私も頭にあざができたが、無事だ」と投稿している。

 イタリア国立地球物理学火山学研究所(INGV)のステファノ・ブランカ(Stefano Branca)氏によると、爆発は午後0時43分(日本時間同8時43分)に発生。溶岩と山の表面の間に蓄積していた水蒸気が勢いよく噴出したために起こったという。

 近接する自治体の当局によると、当時現場付近にはBBC取材班の他、観光客15人、研究者やガイドら計35人前後がいた。10人が軽いやけどや切り傷、打撲などを負い、うち6人が病院に搬送された。

 BBCのレベッカ・モレル(Rebecca Morelle)科学担当特派員はツイッター(Twitter)への投稿で、死者が出てもおかしくない爆発だったが、けが人はいずれも軽傷だったと説明。

 BBC取材班も負傷し、恐怖によりショックを受けているという。モレル氏は「石が降り注ぐ中、燃える岩や灼熱(しゃくねつ)の蒸気を避けながら、山を駆け下る──もう二度としたくない体験」と語っている。(c)AFP