【3月15日 AFP】アフリカ東部ソマリア沖で、石油タンカーが海賊とみられる武装集団に乗っ取られ、タンカーの解放と引き換えに身代金を要求されていることが分かった。欧州連合(EU)の海軍部隊が14日、明らかにした。海賊による襲撃だとすれば、ソマリア沖では2012年以来となる。

 石油タンカー「アリス13(Aris 13)」は、ジブチからソマリアの首都モガディシオ(Mogadishu)に向けて航海中、13日午後に遭難信号を発した後、武装集団に乗っ取られた。武装集団はスリランカ人乗組員8人を人質に取り、目的地をソマリア北東部沿岸に変更させたという。

 タンカーの船長と電話で連絡を取ったEU海軍部隊によると、武装集団はタンカーの解放と見返りに身代金を要求しているという。

 ソマリアでは海賊による船舶への襲撃が2005年から相次ぎ、主要な国際航路に大きな混乱が生じた。2012年には海賊の襲撃による世界経済への損失が、57億~61億ドル(約6500億~7000億円)に上った。

 海賊による襲撃事件が最も多かった2011年1月は、32隻が乗っ取られ、736人が人質に取られた。(c)AFP/Mustafa HAJI ABDINUR