【3月14日 AFP】(更新、写真追加)ディズニー(Disney)の人気アニメ作品を実写化した映画『美女と野獣(Beauty and the Beast)』の公開を控えていたマレーシアで、ディズニー映画として初となる同性愛を描いたシーンを検閲当局がカットしたことが明らかとなり、ディズニー側は14日、同映画の公開を無期限で見送ると発表した。

「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズでも知られるエマ・ワトソン(Emma Watson)らが出演している『美女と野獣』の実写版は、先週ロシアでも超保守派の議員らが上映禁止を求め、結果的に成人映画指定での公開となった。

 映画公開に先駆けてビル・コンドン(Bill Condon)監督はディズニーとして「初めての同性愛シーン」が含まれていると明かしていたが、批評家らからは同シーンの表現はかなり穏やかで、時間も一瞬だと述べていた。

 マレーシア映画検閲委員会(Film Censorship Board of Malaysia)のアブドゥル・ハミド(Abdul Halim Abdul Hamid)委員長は現地紙スター(The Star)に対し、映画の公開が「わずかなカット」によって認められ、カットされたのが同性愛のシーンであると明かしていた。また公開に際しては、13歳未満の鑑賞に不適切な場面が含まれていることを表す「PG-13」に指定されると述べていた。

 映画館チェーンのゴールデン・スクリーン・シネマズ(Golden Screen Cinemas)によると、マレーシアでの公開は16日からの予定だったが、今週に入ってディズニー側から「内部審査」が終わるまで公開を延期すると伝えられたという。首都クアラルンプール(Kuala Lumpur)にある同チェーンの映画館には「追って通知があるまで、ディズニーによって公開延期」との通知が掲示されている。

 マレーシアは人口の多数をイスラム教徒が占めている。また同性愛は刑罰の対象とされている。(c)AFP/Ammu KANNAMPILLY