【3月11日 AFP】メキシコ東部ベラクルス(Veracruz)州で、隠されていた埋葬地が複数、発見され、少なくとも合わせて242人の遺体が見つかったことが10日までに明らかになった。

 メキシコ国内の行方不明者の家族や親族によるボランティア団体「エル・ソレシート(El Solecito)」によって、ベラクルス市に近い場所で埋葬地が最初に発見されたのは昨年8月。エル・ソレシートはこれまで約半年をかけて、発見した複数の埋葬地を掘り起こし、そこから収容した遺体を法医学専門家らに提出した。

 AFPの取材に匿名で応じた検察当局者によると、見つかった埋葬地は124か所で、それらほぼすべてをくまなく調査したところ、242人分の頭蓋骨が発見された。また、同じく匿名を希望した別の捜査関係者によると、埋葬地からは「若い女性の衣服、身分証明書、スラム街の若者が身につけていそうな靴や服もたくさん」発見されたという。

 ベラクルス州は「ロス・セタス(Los Zetas)」と「ハリスコ・ヌエバ・へネラシオン(Jalisco Nueva Generacion)」という二つの麻薬組織間の暴力抗争の舞台で、メキシコの中でも特に暴力犯罪が多い州となっている。

「エル・ソレシート」の活動に関わった軍関係者は同じく匿名で取材に応じ、埋葬地の遺体について「地元の自治体当局と結託している犯罪組織によって埋められたのではないか」と述べた。(c)AFP