【3月11日 AFP】第4回ワールド・ベースボール・クラシック(2017 World Baseball ClassicWBC)は10日、米マイアミ(Miami)で1次ラウンド・プールCの試合が行われ、米国は延長10回裏にアダム・ジョーンズ(Adam Jones)がサヨナラ安打を放ち、コロンビアに3-2で劇的勝利を収めた。

 2万2000人が訪れたマーリンズ・パーク(Marlins Park)で、コロンビアは米大リーグ(MLB)のシカゴ・ホワイトソックス(Chicago White Sox)でプレーする先発投手ホセ・キンタナ(Jose Quintana)が、5回まで無安打投球を続けていたが、米国も6回裏に二死からブランドン・クロフォード(Brandon Crawford)が右翼へ単打を放った。キンタナは5回3分の2を投げて4奪三振を記録し、1四球を与えたのみの好投をみせた。

 対する米国は、ロビンソン・カノ(Robinson Cano)を筆頭に、ネルソン・クルーズ(Nelson Cruz)、マニー・マチャド(Manny Machado)、エイドリアン・ベルトレー(Adrian Beltre)、ホゼ・ボーティスタ(Jose Bautista)ら大リーガーを擁している前回王者ドミニカ共和国との大一番を11日に控え、精彩を欠いていた。

 この日の試合では、WBC初出場で経験不足のコロンビアが、途中まで優勝候補の米国を倒す「ダイヤモンドの奇跡」を演じるかに思われた。大リーグでの経験がなく、登録選手のほとんどがジャーニーマン(チームをいくつも渡り歩く選手)で構成されているコロンビアは、米国でプレーしている選手の数がプロ・アマを通じて約80人ほどしかいない。

 これに対してMLBの選手が600人以上を数え、ユース選手も1000万人に上っている米国は、野球発祥の地でありながらこれまでWBCはで一度も優勝しておらず、今大会もクレイトン・カーショウ(Clayton Kershaw)、マイク・トラウト(Mike Trout)、クリス・ブライアント(Kris Bryant)ら大物選手がこぞって出場を辞退し、ジム・リーランド(Jim Leyland)監督を失望させている。

 大会ルールで球数に制限が設けられていたため、コロンビアがキンタナを降板させてブルペンに任せるしかなくなると、米国は6回裏にコロラド・ロッキーズ(Colorado Rockies)でプレーするノーラン・アレナド(Nolan Arenado)が相手の暴投で振り逃げする間に、同点の走者が生還して2-2に追いついた。

 今大会の決勝は、22日に米ロサンゼルス(Los Angeles)のドャースタジアム(Dodger Stadium)で行われる。(c)AFP